SIとDigitalの挟間で

マーケティングの世界とシステムの世界を近づけたい。 国内SIerを経由して現在外資系Saasベンダのソリューションアーキテクト。

世の中デジタルまみれ?

この世界、只今「デジタル」が大流行り。

 

広告代理店が、「デジタルエージェンシー」を標榜したり、

コンサルティングファームがこぞって「●●デジタル」と看板を上げたり、

SIerですらデジタルマーケティング領域に手を伸ばしたりもする。

 

そもそも「デジタル」って何ですか?言葉の意味が広すぎるし、良くわからない。

数十年前から存在するパソコンだってある意味「デジタル」ではないか。


このデジタルというキーワードの何が今風(いまふう)の響きを醸し出すのであろうか?

 

というわけで、ネットや書籍の情報だけではなく業務現場で感じたことを、脈絡なくまとめていきたいと思います。

(正解は見えませんが)

 

1.デジタルマーケティングについて

 昔からあるインターネットマーケティング、WEBマーケティングが進化したものという印象。

例えば、インターネット広告なんて10年以上前から存在していて、広告の運用やらを人海戦術で行う。あるいはSEO対策だといってGoogleに振り回されながら膨大なHTMLコンテンツの修正を人海戦術でせっせと行っていた。

そこに、昔はマーケタにとっては川の向こう岸の存在であったITテクノロジーがこちら岸に近寄った為、自動化・汎用化・高度化・普遍化が進み、「Web屋」だけの世界であったインターネットマーケティングが、企業のマーケティング活動全体へも広まったものと思える。

例えば、

 ・マーケティングオートメーション

 ・DMP(プライベートもオープンも含め)

 ・プログラマティック広告

等々。これらに共通するキーワードに、ワントゥーワンが挙げられるだろう。

 

まだまだ発展途上のこの手法はレガシーなマーケタだけでは対応は厳しい。

異国の住人であるエンジニア達と協同で取り組んでいくようなイメージが強くなる。そして、大量のデータと隣り合わせになる為に、高度分析を行う人員もチームに必要になるはず。

 

2.デジタルエージェンシーとは

 日本のデジタルエージェンシーの定義は、何をもって行えば良いのでしょうか?
訳して「デジタルの代理店」だから電通デジタルはそれ、だとか?一方で、アクセンチュアデジタルは代理店じゃないから、違うとか?
じゃあ、WEB制作・WEBマーケティングに歴史が深いアイエムジェイは何だ?当てはまらないのか?いやいや、ACに買われたから、全体で「デジタルエージェンシー?」、、とか

なにが何だかよく分からない。

ただ、個人的には、国内のデジタルエージェンシーと言うと、広告領域に軸足置いた代理店系の企業かなという整理で着地させてます。

 

3.IoT 非ネット領域のデジタル

これもAIとセットでバズっているワードではないか?

ECサイトなどのインターネット系企業におけるビッグデータが、アクセスログトランザクションログだとすれば、IoTではメーカー系企業におけるセンサー系ビッグデータが主役となり、そして、その膨大なデータを活用することで「新しいサービスを生み出すのだ!」というなんだか謎の意欲を感じるワード。

 

「IoT とは」で検索して一番に出てきた記事より引用すると

「IoT」とは何か、今さら聞けない基本中の基本 | インターネット | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

「君、わが社でIoTを検討してくれないか」「とりあえずセンサーに繋げてみてはどうか」「人工知能は活用できているのか」などと無茶振りされる被害者が増えています

笑えますね。他に、「わが社でもAIを取り入れたいのだが」も頻出しそう。ていうか現場でよく聞きます。


 

4.デジタルトランスフォーメーション

(今後何度も推敲しながら整理したいと思いますが)

実業務に携わっていての所感としては、「デジタル変革」というカッコ良い響きのイメージとは程遠く、実態はデジタルシフト、デジタルトランスフォーメーションによってもたらされる新しい秩序の上位者としてマウントすべく、縦割り組織同士がせっせと権力争いを繰り広げながら、各社各様の「デジタルトランスフォーメーション」に取り組んでいるという感じです。

永らく縦割り構造の中で組織風土が醸成されてきた中、突然「デジタル」とかいうカタカナ言葉によって、権限やKPIやコミュニケーションや様々なものを横串に再構成しようとしても、内資系大企業でのデジタルトランスフォーメーションは、基本無理があるんです。

 

 

5.デジタルディスラプション

 デジタル系のファームがとっても頻出キーワードにしています「ディスラプション」。

いくつかのファームの仕事を横目で見てて思うのは、ケーススタディや、調査レポートとしてのディスラプション事例抽出作業を請け負うのは良いとしても、国内大手企業に対して「おまえらそのディスラプションをコンサル、リーディングは無理だろ」という感じです。

そもそも、彼らが事例で出してくる民泊業界、タクシー業界は有名大手コンサルを従えて、知名度を上げたわけでは無いですしね。

 

ただ一方で、感じるのが国内超大手企業プロパーは既に社内事情(政治)で疲弊しきっているので、こんなに複雑で流動的な世界に対して、自社の未来形を構想、構築できる人材はほとんどいないというのも実感としてあります。

頼るしかないのですね、外部の優秀な人材に。

 

 

「要件定義」とは何をすることなのか?

システム開発専業SIerならずとも、IT周辺で仕事をしていると、この「要件定義」という言葉をごく普通に聞き、当たり前のように使っている。

しかし、この「要件を定義する」という仕事の内容について、どこまで分かっていると言えるのだろう?

会社によって、部署によって、人によって”全くイメージが違う”何とも不思議な言葉なのではないか?

 

要件定義の内容差

  • 事業ユーザにとっての要件定義:
    「何をやるのか?」(やるべきか)を決めるステップ
     
  • SIerにとっての要件定義:
    「何をやらないか?」を決めるステップ

 

これぐらいの差はありと言える。

 

昨今のDigital化の流れの中で事業ユーザにとっては、上位層からの指示を受けて混沌とした中で業務施策の検討を行っている。与件は今から考える。
部門横断になることも多いから社内調整にもパワーがかかる中、何をどのようにやればよいのか?翻弄されている。

 

一方で、SIerは後続工程(設計工程)へのINPUTとして要件定義を考える。
即ち、与件はほぼ固まっている前提の上で、そのシステム要求の精度を高めることが重要。理由は一括請負開発の見積もりをぶらさない為。従ってあいまいな与件はどんどん切る。

 

この認識ギャップを誰がどのように埋めていくのか?

 

要件定義成果物の特徴

ちなみに、要件定義の成果物である要件定義書および付帯する資料についてもバラエティに富んでいる。

  • SIer
    要件定義書本編、画面一覧、バッチ一覧、I/F一覧..など

  • デザイン会社、エージェンシー
    要件定義書本編、ワイヤーフレーム(画面デザイン)..など

 

要件定義書本編とて各社各様な内容が出てくるが、顧客(業務ユーザ)目線で見ると、確定申告のフォーマットがごとく全国統一様式でもあれば、気が楽なのに、、と思う。